手書き図面のデータ化、CADデータ化のお勧め
(データ化支援業務)
1.データ化・CAD化の必要性
蓄積された図面(調書・台帳などの書類を含む)とそこに盛られている情報やアイデアは「貴重な宝」といえるものです。紙図面類にはこれまで蓄積されてきたたくさんの知的「宝」が埋もれています。そのような紙図面類は、ともすると保管場所をとってしまい、規模にもよりますが、図面保管庫というひとつの部屋さえ必要になってきます。
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図面保管庫の中で紙図面類は変色や虫食いにあったり、朽ちてきたり、人がかゆみや特有の臭気を感じたりすることもあります。(もちろん保管状態にもよります) そうした状況は、パソコンが普及し、電子納品やペーパーレスが実践されている今の時代の変化に対応していないのは明らかです。
設計図をはじめ図面類はCADデータとするのが今では標準になっていますが、これまでのものは必ずしもそうとは言えません。しかしここ数年のあいだ建築物については耐震基準が見直され、また免振(免震)技術も大きく進歩しているため、既築建物の紙図面を再利用して工事を行なう必要が生じています。耐震補強工事や陳腐化した設備の改修工事、バリア・フリー化工事などが既存図面を基にして行なわれているのです。さらに、精密機械の設計図やカラーポスターなどの大判印刷物、地籍図、家屋調査図、アパレル関連産業、地域開発、教育関係の大判資料、特許や著作権関連のアイデアの説明図その他さまざまな分野で紙図面類のデータ化が進められています。
紙図面類をデータ化・CAD化することにより 管理や検索が容易になり省スペース化が図れることだけでなく、紙面に表現されているアイデアを新規図面に容易に流用でき、 蓄積された知的「宝」をより手軽に扱えるようになります。
この「データ化支援業務」は紙図面類のデータ化から、基図面の編集・加工・再利用、そしてCADデータへの展開を支援するものです。(マイクロフィルムからの変換も対応いたします)
2.そのメリット
1. 今まで蓄積されてきた手書き図面(原則としてトレーシングペーパーの原図のことです)や青焼き図面がデジタル化され、活用できるようになります。また、図形データとして新規に作成するCAD図面に流用使用できます。
2. 図面の劣化ということがなくなります。
3. パソコン内で系統別に整理しやすくなり、保管場所も大幅に少なくてすみますから、省スペース化が図れます(大量の図面データをCD-ROMに保存することにより、保管場所をほとんど選ばなくなります。また、貴社のパソコンのハードディスク内に保存
・保管することもできます)。
4. 図面データの管理・検索が容易になり、必要な図面をすばやく取り出すことができます。
5. 部署間でデータの共有ができます。
6. VA(※1)・VE(※2)の対応が容易になります。
7. 縮尺変更、寸法値変更が容易に行なえます。
8. 拡張子の変更・変換作業が容易に行なえます。
9. Eメールに添付して、相手先に送信することができます(パソコンがインターネットに接続していることが必要です)。
10.電子納品に対応できます。
11.紙の情報をコピーするよりも、格段にきれいな出力ができます。
12.A1サイズの図面の場合、300枚から400枚の図面を1枚のCD-ROMに収納できます。
3.そのデメリット
1. 保管の状況などにより熱や強い磁気の影響を受けてデータが壊れたり破損したりして、見ることも印刷することもまったくできなくなる場合があります。
2. 図面や書類をパソコンの画面上で見ることはすぐにできますが、紙に印刷するためには、プロッタ(※3)やプリンタ(※4)などの印刷機(出力機)が必要とされます。
プロッタ プリンタ
(グラフテック株式会社) (セイコーエプソン株式会社)
(写真は各社のご好意によります)
3. 自分で図面や書類を見たり印刷したりするには、パソコンの基礎的な使い方を知っている必要があります。
4. 場合によっては、オペレータ(操作する人)が必要になります。
5. パソコンやプロッタ、プリンタなどは精密機器なので、設置する部屋は空調管理が必要ですし、禁煙とすることが勧められています。
6. 停電時には使用できなくなります(バックアップ電源があれば使用できます)。
7. CADデータを扱うには、別途市販のCADソフトが必要です。(JWW(※5)のようなフリーウェアーのCADソフトも使用できます)
8. 大判のカラースキャナーで精密画像読み取り(密着イメージセンサー方式)するため、スキャナーは厚み3ミリ以下のひら紙に対応しています。ですから、製本図面での場合、一旦コピーしてからの作業になります。
4.データ変換とCAD変換業務の概要とレベル
データ変換に用いる紙図面は原図(トレーシングペーパーなど)を用いるのが原則です。青焼き図面を基図面として用いると、多量のごみ (※6) 発生など変換結果のレベルを低いものにしてしまいます。
以降に掲げる変換レベル(ご要望のレベル)に応じた各メニューをご検討ください。
(各メニューはデータの分類作業を含みます。各メニューのみの依頼で分類作業は不要というような、分断した単体での納品はできません)
Aメニュー:ラスターデータ(※7)への変換のみを行ないます。 → 変換のみの作業になります。これは、データ化の第一歩です。ご依頼人様のほうで文字や数字の修正、部品の切り分け、ごみ除去などを、市販のCADソフト(※5)を用いて貴社内でご自分で行なっていただくものです。一番少ない費用でご利用いただけます。ほとんどの場合、ペクッドによるサポートはありません(サポートを受けるような事由が発生しないということです)。 このメニューの段階で取り込むことができたのは「画像データ」ですから、基本的に点が文字や図形などのさまざまな形に集合したものとお考えください。基の紙図面が損傷している場合、補修テープ(メンディングテープ等)による補修を行ないます。
ごみの状況については、下の「Aメニュー」サンプル図面でご確認ください。
(なお、各メニューのサンプル図面には、背景にグレーの濃淡の着色がありますが、これはウェブ上に掲載するためスキャニングの関係で生じるものです)
Bメニュー:元になる図面原稿に日焼けや汚れがあったり折り目や欠損がある場合、「Aメニュー」による変換後のデータにはより多くの不要な点や線が残ります。それらをふつう「ごみ」といっています。ごみ除去をしなければデータとしての価値はほとんどない、といっても言い過ぎではありません。
ごみだけを識別して完璧に除去することは機械ではほとんど不可能です。それで、ごみをある程度のレベルにまで取り除く作業は手作業で行なわれることになります。
「情報」なのか「ごみ」なのかの判断を技術者がしながら、実用上問題のない程度にまでごみを除去するというこの作業は「Bメニュー」として「Aメニュー」に加算費用が発生しますので、十分ご注意ください。
「Bメニュー」については、下のサンプル図面でご確認ください。
Cメニュー:「Aメニュー」+「Bメニュー」+ 文字・数字の修正までを行ないます。 → 「Bメニュー」までの作業に加えて、ベクターデータ(※8)への変換に進みます。ここでは、文字と数字の変換までを行ないます。かなりCAD化された図面という仕上がりになります。線は画像データで文字・数字はCADデータということです。
「Cメニュー」については、下のサンプル図面でご確認ください。
Dメニュー:「Aメニュー」+「Bメニュー」+「Cメニュー」+ 寸法線の修正・補正までを行ないます。 → 「Cメニュー」までの作業に加え、寸法線の修正・補正を行ないます。画像データでは途切れている寸法線分などを1本の線に仕上げていきます。完全CAD化の一歩手前の段階のものとお考えください。
「Dメニュー」については、下のサンプル図面でご確認ください。
Eメニュー:「Aメニュー」+「Bメニュー」+「Cメニュー」+「Dメニュー」=完全CAD化(「Eメニュー」)を行ないます。 → 既存図面を基に完全に手作業で一般的なCAD図面に作り替えるメニューです。これは完全手動で一つ一つ丁寧・正確にCAD化するものです。ですから、もっとも正確な作業が行なえます。ごみは一切ありません。レイヤ(階層)の指定、線分の色分け・線幅・塗りつぶしなどもできます。一般にいう「CAD図面」になります。このEメニューでは製本図面からも変換することもできます。図面の密度が相当程度関係しますから、見積書を提出した上で相談させていただいています。
「Eメニュー」については、下のサンプル図面でご確認ください。
Eメニュー(カラー):目的別にカラー化したものです。
「Eメニュー」(カラー)のサンプル図面を次にご確認ください。
5.変換レベルの提案
@ 紙図面からのCAD運用を目的とするなら、「Dメニュー」または「Eメニュー」での変換をお考えください。
A 紙図面を処理して電子データとして保存することで、とにかくパソコンの画面に図形を表示したい、また、整理整頓や保管場所の省スペースを図りたい、とお考えの場合などは、「Aメニュー」でいいといえます。
B 人材と時間の余裕が多少でもあり技術者もいるが、ごみ取り、文字や数字の変換までは自社内で行なえない場合、Cメニューでお考えください。
「Aメニュー」から「Eメニュー」のどのメニューであっても、紙図面は電子ファイルに変換されますので、Eメールに添付して送信することができます。
6.対応可能な図面・書類と大きさ
一般建築図・建築設備図・構造図・設計図・詳細図・施工図・杭図・土木図・下水計画図・系統図・姿図・機器表・特記仕様書・各種工程表・出来形図・気象図・天気図・気圧配置図・等高線図・地形図・白地図・地籍図・道路図・海洋図・各種申請図・レイアウト図・テクニカルイラスト図・ポンチ絵・一般書類・ポスター・カラーグラフィックスなどあらゆる図面・書類に対応しています。サイズはA0版まで対応しています。
対応可能な数量については、18.「料金の目安」をご覧ください。
7.納品の形態
図面データは、DXF、JWC、JWW、DWG、MPP、MPZ、DC6、DSWその他、多彩な拡張子でお渡しできます。しかし、納品する成果品としての拡張子は一種類だけに限定されます。
使用するメディア(媒体)は、フロッピーディスク(FPD、FD)、CD-ROM、MOディスクなどです。Eメールでの納品も可能です。最も取り扱いやすいのは、汎用性のあるCD-ROMによる納品といえます。
FD MOディスク CD-ROM
8.業務の流れ
1. 貴社からのお申し込み・ご依頼
↓
2. お申し込み内容に基づく業務内容の説明と確認
↓
3. 「見積書」の提出
↓
4. 合意の場合、「注文書」を発行していただく。
↓
5. 業務開始。
↓
6. 紙データをラスターデータに変換します。「Aメニュー」はこの段階で作業終了です。
↓
7. ご依頼により、ごみ取り作業を行なうなど、より見やすい図面・書類になります。
↓
8. ラスターデータ(※7)をベクターデータ(※8)に手作業で変換します。
↓
9. 経過報告(逐次)。
↓
10.貴社のご確認。
↓
11.業務続行。
↓
12.納品前の貴社によるご確認。
↓
13.成果品の納品とご確認。
↓
14.請求書の提出。
↓
15.貴社からのお支払い。
↓
16.業務終了
9.メニュー変更
業務の途中での依頼内容の変更(メニュー変更)にも対応できますが、その場合、別途費用が発生します。
「Eメニュー」のようにすべて手作業で完全にCADデータ化することもできます。この場合、製本図面からのCAD化も可能です。これは完全手動で一つ一つ丁寧にCAD化するものです。図面の密度が相当程度関係しますから、見積書を提出した上で相談させていただいています。
10.納品後のサポート体制
フォントやバージョンの違いによる修正問題など、納品後の充実したサポートもさせていただきます。この場合、サポート内容によっては発生する金額が千差万別ですので、まず最初にお問い合わせください。3分から5分の電話サポートで済む場合は、無償とさせていただいています。
11.業務の質
設計事務所としての経験・ノウハウを活かし、設計者の立場に立った作業を丁寧・正確に行ないます。多少時間を要しますが、ご依頼人様に満足していただけるよう努力いたします。AからEメニュー以外の事柄をご要望の場合は、必ず事前にお申し出ください。
12.分類について
基本的にご注文時にお預かりした各カテゴリーにしたがった方法で分類を行ないます。また、ご依頼により、樹状系列包含の形式で分類することもできます。データを分類することは、データの検索をはじめデータの運用に大きく影響しますので、分類方法については詳しくお聞かせください。
13.納期について
納期については、「Aメニュー」の場合、分類も含めて1枚×2日(実働)とお考えください。正確な納期はその他のメニューの場合も含めて、見積書提出時にお知らせできます。その時、各種図面の濃度などを考慮した上でお知らせいたします。特にお急ぎの図面などがありましたら優先して作業を行ないますし、その分だけの仮納品にも対応いたします。ぜひ、ご要望をお寄せください。
14.お預かり図面の取り扱い
お預かりした図面・書類等はすべて返却いたします。それらのものは貴社においてペクッドから納品した成果品とご照合・ご確認の後、ご依頼人様のほうでお取り扱いください。ご確認の上処分される場合、ペクッドが処分のお手伝いすることもできます。(ペクッドのほうで保管することはできません)
15.重要なお願い
成果品納品後のペクッドでのデータ保存期間は180日間です。成果品は重要なデータです。お支払い完了後のデータの所有権は貴社に帰属しますので、納品後の成果品データは安全のため必ず貴社内にてバックアップデータ(複製)をお取りください。「Aメニュー」の場合の著作権は貴社に、「Bメニュー」「Cメニュー」「Dメニュー」「Eメニュー」の場合、著作権はペクッドに帰属します。
16.守秘義務について
業務上知り得た機密については、ペクッドが守秘義務を負います。データは漏洩のないよう厳重に管理します。
17.語句の説明
※1 Value Engineering 企画・設計・施工・維持管理・解体などの一連の機能を最低の総コストで実現するために、要求される品質・耐久性・美観などの諸機能を分析し、実現手段を改善していく組織的活動のことです。
※2 Value Analysis 価値分析のことです。最低の総コストで必要な機能を確実に達成するために、製品やサービスの機能分析結果に基づきコストダウンを目差して組織的な努力をすることです。
※3 プロッタ:機種によりますがA0からA3サイズの図面やポスターを印刷できる、比較的大判の用紙に対応した印刷機のことです。インクジェット・フルカラー対応の機種が主流となっています。
※4 プリンタ:機種によりますがA3からはがきサイズまで書類や一覧表などを印刷できる、インクジェット・フルカラー印刷に対応した印刷機のことです。
※5 JW_CAD for WINDOWSのことです。作成者の好意により、一切使用料不要のCADソフトです。インターネット上からダウンロードできますし、使用方法を説明した書籍を購入するとCD-ROMの形で添付されています。使用許可を得る必要もありません。だれでも自由に使用できます。多くの工事現場事務所などでも使用されています。天空率計算などもできる優れたCADソフトです。
※6 ごみが発生する主な理由は、元原稿の汚れ・折り目・欠損などによるものです。スキャン感度を意図的に下げると、本来認識すべきデータを認識できなくなってきます。
※7 ビットマップデータ(ラスターデータ)を生成することをいっています。フォントや図形を出力する場合、どこかの段階でビットマップデータに変換されます。このような変換処理を行なうことを「ラスタライザ」といいます。拡張子はBMPやTIFFが有名で、画像に多く用いられています。「紙の原稿をスキャナーで取り込んだ状態の画像」ということもできます。取り込んだ画像データをパソコンの画面に表示させることはできますが、その状態では、まだCAD化できたとはいえません。ですから図形や文字・数字などの修正・加工は、専用ソフトを使わなければできないのです。
※8 文字フォントで言うなら、文字を輪郭線上の多数の点の座標とそれを結ぶ輪郭線(アウトライン)で表現したフォントです。起点となるいくつかのドット(「点」のこと)を座標位置データとして持ち,表示や印刷のときはその起点を通って文字をかたどる線を算出し,間をなめらかな曲線でつなぐという手順を踏みます。処理を始めるには起点からの座標位置データだけでよいので,きめの細かいフォントを記憶する場合、ドットフォントに比べてメモリが少なくてすむ、というものです。また文字の拡大縮小,変形(拡大,縮小,斜体,袋文字など)が容易にでき,拡大や縮小をしても文字がギザギザになったり,つぶれたりしない(きれいに表示・印刷できる)のが特徴です。プリンタだけでなく
GUI 環境の画面でもたくさん応用するようになりました。文字フォントでいえばTrue Type や Open Type,Clear Type が有名です。図形などでいえば、DXF、JWC、DWGなどが有名で、まさにCAD化といえます。CAD図面はすべてベクターデータの集合体といえます。
(さらに詳しい説明はそれぞれの解説書等を参考になさってください)
18.料金の目安
次の一覧表は一般的な図面・書類の場合の目安としてお考えください。図面の密度や濃度により料金は違ってきます。金額決定の前に見積書を提出した上で打ち合わせさせていただきます。
|
Aメニュー |
Bメニュー |
Cメニー |
Dメニュー |
Eメニュー |
主な適用範囲 |
A0 |
|
|
見積書に より 打ち合せ の上決定 |
見積書に より 打ち合せ の上決定 |
見積書に より 打ち合せ の上決定 |
イ・ロ |
A1 |
|
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イ・ロ・ハ |
|||
A2 |
|
|
イ・ハ |
|||
A3 |
|
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イ・ハ・ニ・ホ |
|||
A4 |
|
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イ・ハ |
|||
A5 |
|
|
イ・ハ |
|||
イ:図面 ロ:ポスター ハ:書類・一覧表 ニ:テクニカルイラスト図 ホ:等高線図等 |
(注1) 「Aメニュー」のご依頼の場合、元データからのスキャニングのみとなります。
(注2) 「Bメニュー」ではごみ取りまでを行ないます。
(注3) 納品等に要するメディア費用、送料は別途加算させていただきます。
19.図面出力料金表
用紙の大きさ |
カラー出力 |
白黒出力 |
A1 |
3,675円 |
840円 |
A2 |
2,100円 |
525円 |
A3 |
840円 |
210円 |
A4 |
420円 |
105円 |
|
送料は別途に発生します |
設備設計事務所 ペクッド 代表者 細田 健二
所在地 〒515-0816 三重県松阪市西之庄町57番地9
電話番号 0598 22 0649 (ファックスはもう使っていません)
携帯電話 090 6579 1233
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